夜の街から
「その僅かな時間だけで構わないから、レコーディングに充ててもらえないかあ?」
何時になく真剣な眼差し。
剰りにあたしを真っ直ぐ見詰めてくるものだから、思わず頷いてしまった。
「よおし、んじゃスケジュール調整しよっか。早速だけど来週の――…」
展開早くない?!
頭が付いていかなかった所為で言われた通りのスケジュールで、あたしの休みは殆んど無かった。
なのに、更に追い撃ちを掛けるように。
「自分で作詞作曲してみる?」
「こんなにスケジュールキツキツなのに、その上自分で創るだなんて…」
首を振るあたしに苦笑いをして、少し無理言い過ぎた、ごめんね、と軽く手を振った。
やっと解放されたあたしは家に帰るなり、ベッドにダイブして意識を睡魔に預けた。