ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
「衣理、久しぶりだね。元気?」
「………まぁね」
「オレ、今東京から帰ってきたんだ~やっぱ地元はいいよねぇ~」
そういや風の噂で、彼は卒業して東京の大学へ行ったと聞いていた。
同じ高校だったけど、クラスもコースも違かったから、別れてからはほとんど顔を合わすことがなかった。
前々からストリート系のファッションが趣味だった彼。
高校時代は開けないでいた両方の耳たぶには、3つずつピアスがついてて、指輪もシルバークレイやターコイズのインディアンジュエリーのリング。してない指は親指と小指くらい。
白いニット帽を目深に被っていた。
ストリート系の中ではオシャレだけど、アタシの中では全然だった。
もう、フラれてから、彼のコトはどうでもよくなっていたから。
彼に全然興味がないのかもしれない。
アタシ、一度ダメになった人って興味なくなるのよねぇ。
ましてやアタシ、彼にフラれたし。
アタシの性格、“熱しやすく、冷めやすい”ってゆーの?
だから、ノブ!!
アンタには興味なしっ!!
「衣理、俺今夜一人なんだ。一緒にどう?」
「はぁ?」
突然の言葉に愕然とした。