ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
俺は、依生と実緒とは仲良かった。
一緒に出掛けたりもしたっけ。
ヤツらが妙に人懐っこくて。可愛かった。
俺には妹二人いるけど、また違っていた。変に染まってなくて、真っ直ぐっつーか。
とにかくめんごいの。
ホントの弟と妹みたいだった。
仕事帰りとか、休みの日など、時間あるときは勉強みてやった。
二人共、塾に行きたいって言ってたみたいだけど、俺で少しでも塾に行く負担が無くなれば……と思い、家庭教師を買って出た。
ヤツらが受験間近の時は、鬼になってビシバシ?と教えた。
その甲斐もあってか、お陰で二人とも志望校に見事合格。
合格発表の時は、直に“サクラサク”の電話を貰い、夜にはエリの家でのお祝いに呼ばれた。
あん時、エリが電話の向こうで、嬉しくて啜り泣きしてたのがわかった。
エリは面倒見もいいし、頑張り屋だった。
あの家が、あの家族が、エリをそうさせたんだね。
いい家族を持ったね、エリ。