ページェント・イブ ～エリー My Love～【長編】

「俺も、今日彼女んチに初めていくんだ………」

「へぇ～そぉーなんだあ………って、アンタ！彼女いんのぉ～!!!」

彼女存在に、一気に目が覚めた。
さっきの気合いの一発が気休めみたいに思えた。

「い…いお……アンタまだ中学生じゃん！……いつから付き合ってんのよ？」

「……今年の春から」

歯磨きの手がピタリと止まった。

「バカだな～イマドキ幼稚園生だって彼氏×彼女いる時代に～!!」

ホガホガ混じりに喋る度、泡立った歯磨き粉が、洗面台にぽつぽつ飛び散る。
口の中の残った歯磨きの泡を、ペッと吐き捨てる。

「………俺の彼女んチは、親が開業医でさ…気が引けんだけど………オレ、今日、頑張っからさあ………ねぇちゃんも、シンちゃん好きなら負けんなよ！」