ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
それからアタシ、は部屋へと案内された。
それにしても純日本風なのに、どこか洋風な感じ……。
モダン?っていうのかな?
渡辺何とかサンって人の、建ものなんたらって番組に出てきそうな家……。
「随分和風が強いだろ?……今入院してるじいさんの好みで建てたウチだからさ……俺はスタイリッシュなウチがいいのによ」
「おじーさん、入院してるの?」
「んあ……そう。もう90近いしな………あ、でも大したことないから心配しなくて大丈夫」
おじーさん、大丈夫かしら………。
………それにしても、三世代が住むウチだもんね……広くなきゃダメだろうけど……。
それにしても広すぎっ!
アタシ一人で玄関まで戻れる自信ナシ。
掃除ってどうしてるの?
ホコリなんてドコにもない。
こんな広い屋敷なのに。
アタシは目が悪いほうじゃないから、ちっちゃいゴミとかすぐ見つけられる。
でも、ココには塵ひとつない。
シンはかなりのキレイ好き。
家族みんなして“けんのんたかり”?
(※ちなみに“けんのんたかり”は仙台弁で“キレイ好き”とか“潔癖症”のコト)
アタシがもし、この家に住むことになったら………掃除だけで二日くらいかかりそうだ。
ヘンな妄想をしてるうちに、“こちらの部屋でお待ち下さいな”と、おばーさまに案内された。