ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
「照れ隠しぃ?んな訳あっかよ………っておふくろ、なんでそう思うんだよ?」
おかーさんが、冷めかけたお茶を、ゆっくりと、上品に口へ運ぶ。
まるで、“間”を取るように。
いや、きっと取ってる。
――――――飲み干したのか、茶碗に着いた紅をそっと指先で拭き取り、茶托に戻す。
ふうーっと、一息。
「――――――年のカン、かしら。40年以上一緒にいれば、ね。不器用なのよ、真宗さん。衣理さん、私から申し上げるのも変な話ですが、真宗さんの事は本当にお気になさらなくていいの」
「……………はい………」
としか、答えようがなかった。
それが精一杯。
おかーさんが、冷めかけたお茶を、ゆっくりと、上品に口へ運ぶ。
まるで、“間”を取るように。
いや、きっと取ってる。
――――――飲み干したのか、茶碗に着いた紅をそっと指先で拭き取り、茶托に戻す。
ふうーっと、一息。
「――――――年のカン、かしら。40年以上一緒にいれば、ね。不器用なのよ、真宗さん。衣理さん、私から申し上げるのも変な話ですが、真宗さんの事は本当にお気になさらなくていいの」
「……………はい………」
としか、答えようがなかった。
それが精一杯。