ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
―――――ミーナを抱っこしたおかーさんと、おばーさまに、笑顔で見送られながら水嶋邸を後にした。

シンの愛車で仙台市内へ向かうトキ。

「エリ、ゴメンな………親父の事、気にしなくていいから。でも、おふくろもばあさんも、ミーナも。エリの事すっかり気に言ってくれたみたいで安心した」

「シン………」

「ん?」

「シンのおかーさんも、おばーさまにもよくしてもらって。ミーナもカワイくて。アタシにはとってもウレシイ出来事だったよ。仲良くやれそうな気がした…」

「ならよかったら………俺、うまくいくかどうか心配―――――」

気づくと、涙の粒が幾つもこぼれ落ちていた。

「エリ?どうした?」

シンが慌てて、近くのコンビニの駐車場に入り、車を停めた。

「………アタシには、合わないよ………」

涙がとめどなく溢れる。

「何?何で?……急に…何でだよ?さっきまでそんな感じじゃなかったじゃん!」

シンの前でこんなに泣いたこと、ないのに。

涙で滲んで、周りがよく見えない。

「…………わからない………でも、アタシには、釣り合わないよ………」

「親父か?あんなこと言われたから…」

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