ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
あ。
さっき話してたら思い出した。
俺は、徐(おもむ)ろに胸ポケットからケータイを出した。
俺のケータイは、本革風のスキン。
色は黒。
真っ黒……ではない。
マッドタイプの黒。
シックで、質感も触り心地もよくて、ボタンは小さいからメールはしづらいけど、見た目の良さが気に入って、つい何週間か前に機種変したばかり。
――――“一目惚れ”、とでもいうのだろうか。
前のケータイは、5年使っていたせいか、充電池がイカレた。
丁度機種変しようとした時、今のケータイが発売になり、すぐ替えた。
俺の好みは、まず見た目。
ケータイだけじゃない、服も、クルマも、時計も、女もそう、だった。
エリに会うまでは。
でも、エリと別れた今となっては、全てが過去形。
そして、ふと思い出して、今探しているのは、その過去形のカケラ―――。
さっき話してたら思い出した。
俺は、徐(おもむ)ろに胸ポケットからケータイを出した。
俺のケータイは、本革風のスキン。
色は黒。
真っ黒……ではない。
マッドタイプの黒。
シックで、質感も触り心地もよくて、ボタンは小さいからメールはしづらいけど、見た目の良さが気に入って、つい何週間か前に機種変したばかり。
――――“一目惚れ”、とでもいうのだろうか。
前のケータイは、5年使っていたせいか、充電池がイカレた。
丁度機種変しようとした時、今のケータイが発売になり、すぐ替えた。
俺の好みは、まず見た目。
ケータイだけじゃない、服も、クルマも、時計も、女もそう、だった。
エリに会うまでは。
でも、エリと別れた今となっては、全てが過去形。
そして、ふと思い出して、今探しているのは、その過去形のカケラ―――。