ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
ケータイのフリップを開き、データフォルダの中身を探す。
えっと………何処だ。
色んなキーをポチポチと、押してみるが。
……機種変するとき、データ消えたか?
―――未練がましいとか思う、自分がいるの、解っていながら。
「………あ、あった」
「あ~、これこれ!水嶋が、“俺の婚約者”って言って、私に見せてくれた写真!」
シゲさんが覗き込んで、俺のケータイ画面を指差した。
そこには、
―――エリと、ミーナのツーショット写真。
………話してたら、急に見たくなったんだ。
ケータイ画面の向こう側には、画面いっぱいに屈託のない笑顔。
ずっと、この中で変わらない、笑顔。
棄てられないで、とっておく、この往生際の悪さ。
バカか?俺。
あの時、エリの笑顔の奥にあった影を、何故気付かなかった?
初めて逢った時は、すぐ気付いたのに。
―――――ああ、この頃だ。
距離をおいたこの時を境に、俺達の運命が、急スピードで崖から転げ落ちるかの如く、激動したのは―――――。
えっと………何処だ。
色んなキーをポチポチと、押してみるが。
……機種変するとき、データ消えたか?
―――未練がましいとか思う、自分がいるの、解っていながら。
「………あ、あった」
「あ~、これこれ!水嶋が、“俺の婚約者”って言って、私に見せてくれた写真!」
シゲさんが覗き込んで、俺のケータイ画面を指差した。
そこには、
―――エリと、ミーナのツーショット写真。
………話してたら、急に見たくなったんだ。
ケータイ画面の向こう側には、画面いっぱいに屈託のない笑顔。
ずっと、この中で変わらない、笑顔。
棄てられないで、とっておく、この往生際の悪さ。
バカか?俺。
あの時、エリの笑顔の奥にあった影を、何故気付かなかった?
初めて逢った時は、すぐ気付いたのに。
―――――ああ、この頃だ。
距離をおいたこの時を境に、俺達の運命が、急スピードで崖から転げ落ちるかの如く、激動したのは―――――。