ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
エリの電話の向こうで、何かがやがやと人の声やら聞こえている。
「―――――ところで今、何処にいんだよ?」
「今?仙台駅。仙石線の電車ン中………今日ね、美容室の忘年会だったんだけど、後2、3分で終電出るトコ………」
「―――――降りろ」
「はっ?シン……何言ってんの?降りろって――――」
「いいからエリ、降りろ!………東口の代ゼミの隣んとこのセブンで待ってろ!」
「えっ?………」
「――――――今から俺、そっちに行く」
「だって………遅いし………アタシ、これ終電―――――」
「いいから!俺が送って行くから心配するな!じゃ、切るから………待ってろよ、必ずな!」
部屋のベッドに横たわってた俺は、急いで着替えた。
ケータイと、財布と、時計と。車のキーと。
………去年のクリスマスイブに渡せなかったプレゼントを持って、家を出た。