ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】




「………父さんが………真一と彼女の交際を認めるよう、何やら“作戦会議”してたらしい………認めてもらうまでは何とやら………」





「なぬっ?」





丁度、一年前の事―――――。

エリに俺の両親とばあさんを紹介した時、おふくろとばあさんはエリを気に入ってくれたけど、親父だけは何故か、認めなかった。

これが切欠で、エリとすれ違いはあったが、直ぐに元の鞘に収まった。
それから、エリを月に一度か二度、家に呼ぶことはあった。
だが親父は、来れば挨拶はするものの、それっきり顔出しなし。


俺にも内緒で、エリ………来てたんだ………。

おふくろもばあさんも、心配してくれて………。

俺はホッとした。
そういう繋がりがあった事を、素直に嬉しく思った。


「―――――しかも、先月から彼女、母さんと多喜子さんから茶道を習い始めた………」

「マジで?」

親父はコクリと頷いた。



「………私も、ちゃんと彼女を見てあげなくてはいけないようだな………済まない事をしたもんだ」

それって親父………もしかして………?

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