ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
店を出て、直ぐさまドアロック解除。
二人で急いで車に乗り込んだ。
ほんの僅かな時間だったのに、ブラックのAudiも、透明なフロントガラスも、周りの景色も、いつの間にか、銀世界に―――――。
雪は日付が変わってもまだ止むことを知らない。
久し振りの大雪になりそうだ………。
エンジンをかけ、俯くエリに、レジ袋をそのまま渡そう差し出したとこで、俺は思い出し、ガサガサとそれを取る。
「熱いうち、飲めよ」
エリの右頬に、軽く缶を当てた。
釣銭があまり出ないようにと、適当にチョイスしたホットドリンクは、無糖のブラックコーヒーだった。
「………アリガト……」
エリは、包み込むように、両手でブラックコーヒーの缶を受け取った。
「あったかい……………」
暖かく包んだ両手を、今度は、コーヒー
を膝に起き―――――。
「………シン、頬っぺた………ひゃっこいよ……………」
―――――俺の両頬を、柔らかく包む―――――。
あったけぇ…………。
車中には、エリの少し微笑んだ表情と、幾つもの白い弧を描いた吐息の残像―――。
そして、久し振りに触れた、彼女の温もり………。
まるで、夢みたいな………一瞬でそんな気分になった。
二人で急いで車に乗り込んだ。
ほんの僅かな時間だったのに、ブラックのAudiも、透明なフロントガラスも、周りの景色も、いつの間にか、銀世界に―――――。
雪は日付が変わってもまだ止むことを知らない。
久し振りの大雪になりそうだ………。
エンジンをかけ、俯くエリに、レジ袋をそのまま渡そう差し出したとこで、俺は思い出し、ガサガサとそれを取る。
「熱いうち、飲めよ」
エリの右頬に、軽く缶を当てた。
釣銭があまり出ないようにと、適当にチョイスしたホットドリンクは、無糖のブラックコーヒーだった。
「………アリガト……」
エリは、包み込むように、両手でブラックコーヒーの缶を受け取った。
「あったかい……………」
暖かく包んだ両手を、今度は、コーヒー
を膝に起き―――――。
「………シン、頬っぺた………ひゃっこいよ……………」
―――――俺の両頬を、柔らかく包む―――――。
あったけぇ…………。
車中には、エリの少し微笑んだ表情と、幾つもの白い弧を描いた吐息の残像―――。
そして、久し振りに触れた、彼女の温もり………。
まるで、夢みたいな………一瞬でそんな気分になった。