ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
―――――また、少し沈黙。
間奏の原由子の笑い声が
“滑稽ね”
とでも言うように聞こえる―――――
「………………エリ、俺居ねぇ時、ウチに来てたんだ………さっき、親父から聞いた………」
「……………そう」
「……………茶道も始めたんだ………」
「……………そう」
ずっと俯いたまま、“そう”しか言わないエリ。
―――――まだ膝カックン………怒ってんだろうな………。
あんなに崩れるとは……迂闊だった……。
まだ少し、叩かれた腕が、ヒリヒリと鈍い痛み。
「……………ゴメンな………」
「……………いいよ………もう……」
言葉変わっても、俯いたまま。
俺を見ようとしない。