ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
どのくらい、キスしてたんだろう?
あまりにも
無我夢中で唇を重ねていたから
ラジオから流れるメロディーが
いとしのエリーから
クリスマス定番ナンバーに変わっていたことも
気付いたのは、もう少し後の事で
唇の感覚も
抱きしめるぬくもりも
気が遠くなるほどに
麻痺していた
残ったのは
お互いの首筋に咲いた
血よりも紅い、一輪の薔薇
そして
俺が初めて感じた
心の底から
“愛しい人を守る”という気持ちだった