ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
もう一口軽く飲んだ後、話の続きを俺から始めた。
「―――――そう。じいさんが死んだ年と翌年は、今思えば、波乱に満ちた2年間でしたよ。シゲさんから話が来たのも、ね?」
「えっ?」
琥珀色のカクテル(と、呼ぶべきか?)を見詰めていたシゲさんに軽く振ってみる。
「ああ~その年でしたか。あの時は、メインの事務所を、埼玉から仙台に拠点移す時で、優秀な人材がもう一人欲しいって思っていた時でしたよ」
肘で軽く俺のことを突っつく。
ったく、照れること言って、この人はっ!
しかもサラリと。
………カッコ良すぎるって。
「………まあ~俺は優秀じゃないですけどね……っつーか、何でまた俺に声かけたんですか?」