ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】


7月下旬に三度目の養成課程の入試を受け、更には、8月初旬、国家試験である中小企業診断士の一次試験………と、立て続けに受験していた。



そんな時。


シゲさんから、

“よかったら、会議所辞めて、うちの事務所来ないか?”

そう言われたのは、診断士の一次試験、更にじいさんの新盆も終わった、8月半ば―――――。
(※因みに東北では、七夕まつりもお盆も旧暦で行われる)



俺はその日、創業相談者の資金の件で、国民生活金融公庫(※当時。現在は、日本政策金融公庫に変更)へ。

資金借入の審査も無事に通過し、ホッとした気持ちで事務所に戻る途中―――。

丁度、シゲさんが会議所のビルを後にするところを見つけ、俺は思わず声をかけた。


「山路先生!!」


「あ~水嶋さん!!お久しぶりですねぇ~」


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