ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
#01 せつない胸に風が吹いてた
―――――4年前の残暑厳しい8月盆明け。
偶然、シゲさんと会議所前のビルで会い、会議所の入口に入り、涼みながら雑談をしていた。
「―――――水嶋さん、今夜何か予定あります?」
「いや、俺今日は………」
左にかけた腕時計をチラッと見て、時間を確認。
もうすぐ5時か………。
今夜はエリと、18時に市営地下鉄河原町駅で待ち合わせの約束をしていた。
今夜、広瀬川の灯ろう流しがあり、エリと一緒に行く事になっていた。
「―――――明日、埼玉に戻るんですが、その前に水嶋さんに話しておきたいことがありまして………」
猛暑でも、極寒でも。
いつも爽やかなシゲさんが、伏し目がちに、何か重い表情―――――。
どうしたんだろ?
しかも、俺に話しておきたいことって?
気になる………。