ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
「……………養成過程試験、一次試験の結果が出てからでも構いません。じっくり、考えてみて下さいませんか?」
「……………先生、俺………」
「水嶋さん」
「………はい」
「決して、買い被りなんかじゃないですから………。過信は禁物ですが、もっと自分に自信持っていいと思います」
最後は、いつもの爽やかシゲさんスマイルで、話を締めた。
「すみません。用件は終わり!さ、気分を変えて、まずはお寿司食べましょう!塩で食べるお寿司ってのがいいですよねぇ~」
カウンターにあるネタを眺めながら、何事もなかったかのように、明るく振る舞うシゲさん。
俺の頭は、寿司どころじゃなかった。
―――――その夜、俺はエリに連絡するのを忘れた。