ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
―――――沢山の人が行き来する、仙台駅西口のペデストリアンデッキ。
その真ん中で、抱き合って泣いてるアタシたち、女三人。
それを不思議そうに通行人が見ては、苦笑してるに違いない。
「………二人とも、アリガトね………。アタシ、シンとコミュニケーション取る時間も作って、ちゃんと向き合って………両眼でシンのコトよく見て………本当の幸せ掴むから………出来れば、いや、絶対に………シンと二人で……幸せになるから………」
手の甲で涙を拭い、アタシからゆっくり抱擁を解(ほど)いた。
二人も、ハンカチや指の背で涙を拭う。
“ポンッ”と強く、栞がアタシの両肩を叩き、力強い瞳で言った。
「衣理、本当の幸せ掴んでね」
栞………。
その隣でチャコが頷く。
アタシは、二人を見て………こくんと頷いた。