ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
“じゃ、またねっ!!”
“今度は夜飲みにあべ~(※仙台弁で『行こう』の意)!!”
そう言って、アタシたちは涙を拭って、手を大きく振ってそれぞれ笑顔で別れた。
ゆっくりと、振っていた腕を下ろす。
栞とチャコは、青葉通へと橋を降りていく。
アタシは、二人の姿が見えなくなった後も、ペデストリアンデッキに暫く立ち尽くしていた。
少し肌寒い春風が、後ろからさあっ………と吹く。
何処からともなく、桜の花びらが飛んできて、アタシの目の前をあっという間に通り過ぎた。