ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
ノブは眉間にシワ寄せて、
「………けど、さっきまで笑顔だったその女が、急にキッとした目つきに豹変し、開口一番、俺にこう言ったんだ………」
そう呟き、つれない表情を浮かべた。
「『何の夢も目標もなく、たまにバイトして女と遊んで生活してるならば、さっさと大学辞めてホストにでもジゴロにでもなればいい。女もアンタの何処がよくて抱かれたいんだか知らないけど、女はアンタの性欲の掃きだめじゃないんだ』って………」
この時ばかりは、周りが騒がしい場所でよかったと思った。
人の足音も気になる場所なら、この過激なコトバに退場させられるところだ………。
「あの言葉はショックだった………。今でも一言一句、忘れらんねぇよ………」
これが、ノブとマリコ………“吉岡茉莉子”さんとの出逢いだった―――――。