ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
―――――夏休みになった。
俺はイタメシ屋でバイトをしていた。
夏休みは絶好の稼ぎ時期。
空いた時間は、“カノジョ”と過ごす。
俺のアパートに来たり、俺が行ったり、ホテルで逢ったり。
勉強は二の次、三の次。
課題のレポートも提出したし。先の事は今は考えず、取り敢えず卒業さえ出来れば、後はどうだってよかったから。
図書館での出来事を忘れかけていたある夜―――――。
この日は23時までのバイト。
片付けも終わり、店のオーナーや先輩に挨拶をし、外に出てみる。
暑い………。
真夜中になろうとしているというのに、かなりの熱を帯びていた。
ねっとりと張り付くような暑さ。
気分が悪くなる。
今夜は確実に熱帯夜………。
寝苦しくなりそうだ………。
そんな事をぶつくさ言いながら、Tシャツの裾を摘み、バタバタさせて風を作り涼を取る。
しかし、やるだけムダ。
生温い風が身体に纏わり付くだけだった。
コンビニで立ち読みでもして涼むか………。
そう思い、ケータイのメールチェックしながら、アパート近くのコンビニへと歩いた。