ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
「なんかさ~、俺に恨みでもある?さっきから突っ掛かってきてばっかり………」
「別に。………あ、あるとしたら、“勉強はしときなさい”ってとこかしら?」
「………」
は?
勉強?
茉莉子が何者か解らない………。
顔立ちから察するに、俺ぐらいの歳。
単に上から目線で言われているから茉莉子が年上に見えるのか?
「今時、ホストとかジゴロとか流行らないし。可哀相なことに寄ってくる女も、単にアナタと媾合(こうごう)したいだけ。女もバカじゃない。いつまでも将来のない男と一緒にいる道理がないしね。アナタも女利用しているけど、逆に利用されているって事、忘れちゃあいけないよ」
開いた口が塞がらなかった。
よくもまぁ…ペラペラと次から次へと………。まさに立て板に水。
ここまで悪く捲し立てられているのに、俺、実感が無かった。
「じゃ、私はこれで………」
「ちょっと待てよ!!」
俺は咄嗟に、茉莉子の腕を掴んだ。