ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
「………ノブ………あ、あたし………」
「―――――夢なら夢でも構わない。でも俺は、茉莉子を夢に置き去りにしておきたくない………」
そう呟き、茉莉子の耳たぶにそっと口づける。
「あっ………」
自分がいつ、どんな交通手段を使って、茉莉子を連れてここに来たのか解らない。
気が付くと、予め取っておいたビジネスホテル。
その、狭い狭い、シングルベッドの上。
青く浮き立つ首筋にキスをすると、軽く仰け反り、ブラのホックを外し、露わになった胸の先に甘噛みしただけで、ピクッと震える。
その反応が愛おしくて、何度も何度も愛撫する。
透き通る白い肌と、艶めかしいボディライン。
ガラス細工のように、繊細で壊れそうで………。
壊れないように、丁寧に、慎重に、抱擁する。
俺が触れるところ全てに、甘く反応する茉莉子。
とろけそうな彼女の嬌声が、胸を締め付ける。
全身全霊かけてゆっくり、ゆっくり愛したい。
時間をかけて、じっくり、じっくり茉莉子を感じたい。
「………ノブ………」
茉莉子が、何処で生まれて、どんな人生を今まで生きてきたかなんて、もうどうだっていい。
「…………いや………っ」
そんな事は、知ろうと思えば知る事ぐらい出来るだろう。
今は、茉莉子と重ねるこの温もりを
身体に、心に、刻みつけたい。