ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
俺の首の後ろに細い腕を回し、しがみつく茉莉子。
潰れそうなくらい重なると、お互いの身体が化学反応を起こし、火照る。
蜜が溢れた彼女のナカに、ゆっくりと入る。
「茉莉子………俺、すっげ幸せだよ………」
本当に幸せだった。
今までの俺は、自分さえ気持ちよけりゃそれでよかった。
自分の快感だけ満たされればそれでよかった。
でも、気付いたんだ。
それは、自慰より最低な行為だったって事に。
想いが重なった最愛の女性(ひと)との“媾合”………。
「…………ノブ………あたしも………幸せだよ…………んっっ」
身体と心
互いに、その両方が満たされた時が、本当の“快感”だと言う事―――――。
茉莉子に出逢って、俺は気付かされた。
―――――今まで触れられなかった分俺と茉莉子は、夜明けまで何度も何度も、身を重ねていた。
いつ頃からか、外では雪が降っていた。
ホワイトクリスマス。
世界で一番、やさしい夜。
世界で一番、愛しい夜。
そう感じることが出来たのは、茉莉子と出逢えたからなんだ―――――
ありがと………。
愛の雫が果てた後、温もりを逃がさないようにと、俺たちは、抱擁したまま深い眠りに落ちた。