ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
「……………アタシにここまで話してくれて………ありがとね………まだノブもツライだろうに………」
ノブから借りたハンカチで目頭を拭う。
涙でハンカチがかなり濡れてしまった………。
しゃくり上げは治まったものの、上手に言葉に出来なくて、もどかしい。
「………あ~。俺ならもうダイジョウブ。帰りの新幹線ン中で泣くだけないたし、茉莉子はちょっとそこまで旅に出たぐらいにしか思ってないから…。却って、急にこんな重い話して…ゴメンな………」
そんなこと、全然ないよ。
重い話だなんて、全然思わない。
ここまで話すのに、かなりの勇気が要ったと思う。
言葉にするのって、簡単なようでいて、難しい。
言葉にすると、信じがたい真実が具現化されたみたいで、ツラくなるものね。
“ダイジョウブ”って、微笑っているノブの表情。
無理してるように見えるよ。
「……………全てが、必然だったんだね………。アタシたち、まるで………茉莉子さんに導かれて………今日ここで再会したコトも………」
アタシには、これぐらいの言葉でしか、ノブに返せなかった。
なーんか、情けない。
何もしてあげられない。
「ああ………」
ノブは、溜息混じりに返事した。
好きとか、元カレとか、そういう問題じゃなく。
ノブを心配しているアタシが、ここにいた。