ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
今日、衣理と再会出来たのは、神様が引き合わせたのではない、茉莉子が引き合わせくれた………。
俺は、そう思う。
「―――――衣理、あン時は………本当にすまなかった。ゴメン………」
テーブルに両手をつき、それよりも深く頭を下げた。
茉莉子に逢わなかったら、きっと、衣理に謝りたいという気持ちにならなかった。
気にはなってても、そのままスルーして終わってたと。
「……………ううん。もういいよ………ありがと………」
衣理の泣きっ面に、笑顔―――――。
胸の奥で燻り続けた火が、今、消えた。