ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
「……………アタシにここまで話してくれて………ありがとね………まだノブもツライだろうに………」
貸したハンカチで目頭を拭いながら話す。
その声はまだ、しゃくり上げは治まったものの、うまく言葉になってなくて。
「………あ~。俺ならもうダイジョウブ。帰りの新幹線ン中で泣くだけないたし、茉莉子はちょっとそこまで旅に出たぐらいにしか思ってないから…。却って、急にこんな重い話して…ゴメンな………」
そう呟くと………衣理がこう返してきた。
「……………全てが、必然だったんだね………。アタシたち、まるで………茉莉子さんに導かれて………今日ここで再会したコトも………」
「ああ………」
必然。
偶然が重なって生まれた………いや、違う。
全てがこうなるようにと仕組まれた、“運命”…と呼んでいいのだろうか。
俺たちは、“生きている”のではなく
“生かされている”ということを、思い知らされた。