ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
「ケータイ?………あるけど………どうして?」
衣理がそう言って、バッグの外ポケットから、ケータイを出す。
「ちょっと借りるぞ」
「えっ?」
衣理の答えも聞かずに彼女のケータイを取り、ケータイ同士重ね合わせるだけで、簡単にメッセージの交換ができる“Touch Message(タッチメッセージ)”をした。
「ハイ、返す。俺の番号、衣理のケータイに入れといた………。勘違いかもしれないけど、何か水嶋さんの事で、俺に話したそうだったから………こんな俺で良かったら、話聞くよ」
「え………」
「あ、心配御無用。俺は下心もなけりゃ、二人の仲を裂くようなこたぁ~もう二度としません。彼氏いる元カノに手を出すほど、俺は落ちちゃあ~いませんから」
警戒心が顔に出ていた衣理に、メガネの位置を直し…笑顔でVサイン。