ページェント・イブ ～エリー My Love～【長編】

＃01 慕情

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栞やチャコ、ノブと再会した桜の嵐が吹き荒れた4月半ば。


色んな出来事がありすぎたあの日から、二週間。
将来の自分やシンとのこれからについて、考えていた。

アタマが休まるトキがないくらいに。

シンとは相変わらず逢う時間が取れなくて、夜、電話で喋ったり、メールするくらい。


会議所って多忙で、仙台の街中でやるイベントを仕切っているもんだから、シンも担当は違えど、企画会議や準備に駆り出される。

今は、5月の中旬にある“仙台青葉まつり”の準備で、多忙極まりないらしい。

夜、終電に間に合わない程帰りが遅いみたいで、“最近は車で通勤してる”って愚痴ってたし………。


合間縫って診断士試験の勉強もしてて………。
そんなもんだから、つい、休みのトキくらいゆっくりさせたいと思って、逢うのを躊躇(ためら)ってしまう。


栞やチャコに言われたコトバ。


“自分の感情殺してまでガマンすることないから………カレと二人で幸せ掴んでよね………”


アタマでは解ってる。
解ってるんだけど………。

つい、ガマンしちゃうんだよね………。

このままだと、今年のゴールデンウイークも逢えないかも………。

去年のゴールデンウイークは、シンと一泊で横浜行ったけど………。

はぁ………。


もう、ひと月近く逢ってない。


遠恋よりも、遠い。


シンの顔、忘れそうだよ―――――。