ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】


ぽつりぽつりと話すアタシのコトバの一つひとつを、丁寧に掬い上げるように、淳子さんが優しく頷いてくれる。


こんなヘンな話なのに。
ちゃんと聞いてくれているのが、すんごく嬉しい。


稲葉さんも、タイミングを見て料理を出してくれる。


一つひとつ、自分の気持ちをコトバに出すと、切なくて切なくて。

苦しくて苦しくて。


特に、偶然ノブと再会したコトを話すのは今日が初めて。

お酒のせいか、淳子さんに話したくなって………。

元カレが変わるキッカケを与えてくれた、茉莉子さんのコトも話した。


折角タイミングよく出して頂いた、本マグロホホ肉炭火焼き、松島産のアナゴ白焼き、だし巻き卵が………。


すんごく、すんごく美味しいのに、涙でしょっぱい………。




「―――――そっかぁ………。そんなことがあったんだ………」


三杯目のギネスビールを飲んだら後、淳子さんは、タバコに火を点けた。



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