ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
バタン………
「―――――真ちゃ~ん、衣理ちゃん目が覚めた?」
―――――!!!!!
扉が開き、下からアタシたちを呼ぶ淳子さんの声に、シンとアタシの動きはピタリと止まった。
偶然にも扉からは死角になって、アタシたちの行為も幸い見えてない。
ケド、見られたみたいにドキッとしちゃったよ………。
急いで乱れた服を調える。
「衣理ちゃ………あ、起きた起きた。よかったあ………。ビックリしたわよ~っ。話してたかと思ったら、いきなり眠っちゃうんだもん。飲み過ぎもあるけど、溜まってたものがあったからだと思うわよ………ねぇ?」
ロフトの梯子を登り切るの途中の淳子さんと目が合い、アタシにウインク。
「………えっ?俺?」
「さーて、誰のことでしょうね?あ、下で待ってるから降りてきてね。稲葉クン、デザート作ってくれたから♪」
「ワーイ♪デザート!」
「エリ、お前まだ食うのかよ」
「なによーっ!お酒飲み過ぎただけっちゃねっ!デザートは別腹よっ」
シンのコトバに思わず膨れっ面。
そんなアタシにシンは呆れ顔。
「無理しないでゆっくり降りてらっしゃい。あっちで待ってるから」
コトバを残して淳子さんは席に戻って行った。
さっきのウインク………もしかしたらバレバレだったかも?
ヤダ………恥ずかしいじゃん!
夢とはいえ、バカなアタシ………。