ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
「―――――んまっ♪このソルベ、めっちゃ美味しぃ~っ」
「ミントなのに口当たりがキツすぎなくて、丁度いい………。初夏って感じするわね」
「………ん、いやんべぇだね、コレ」
「ちょっと、シン!いやんべぇって………おっさんクサイ言い方………。淳子さんも稲葉さんも苦笑してんじゃんっ!」
「うっせーな!どーせ三十路過ぎりゃオッサンだっちゃ!いいだろーっ!!“いやんべぇ”で通じてんだからよー。あ、稲葉さん。コレもう一つあります?」
「ちょっ………何もう一つ頼んでんのよーっ!アタシだって食べたいのに……」
「エリは淳子さんと飯、食ったんだろ?俺何も食ってねぇんだからいいだろーよ。会議終わったらソッコー此処に来たんだからさあー」
「―――――スミマセン。水嶋さんの分はちゃんとありますから心配しないで下さい。今用意しますから」
「ちょっとシンったら~っ!稲葉さんに気ィ遣わせて~っ!あ、稲葉さん、シンの分はいいですから」
「っよかねーよっ!!ハラ減ってんだからよー食わせろっ!!」
「くっくっくっくっ………あーっははははははは~っ!!!!!」
お腹抱えて、半分涙目になりながら豪快に笑う淳子さん。
「あはははっっ!んもぉ傑作ーっ!笑い過ぎてメイク取れちゃったよぉ」
キョトン………。
思わず、ミントソルベを掬っていたスプーンの手が止まる。
「二人の掛け合いが何とも……あははっ。サイコー♪」
その後、淳子さんがこう言ったの。
「二人ともそーやって、一生仲良くしててよ」