ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
アタシが、淳子さんに圧倒されている間―――――
「おわっ!!」
何?なに?ナニ?
シンにいきなりヘッドロック?
シンの腕がアタシの首にかかる。
苦しくはないけど、いきなりでビックリしたっちゃ~っ。
おかげでミントソルベで落ち着いた心臓が、またバクバク言い始めちゃったじゃいの~っ!!
「……………淳子さんに言われなくても、俺はエリを幸せにしますから。心配しないで下さい」
横顔を見ると、“宣戦布告”的な笑みを浮かべている。
「だったら、ちゃーんとお互いに我慢しあわないでコミュニケーション取って頂戴。逢って抱き合ってお互いの温もり確かめ合うのも大切かもしれないけど、それが出来ない状況だったら、素直な気持ちを電話やメールでただ伝えるだけでもいいじゃない。電話だって、メールだって、大事なコミュニケーションツールの一つ。相手を“好き”って気持ちの積み重ねが、愛を育てるんじゃないの?お互いの素直な気持ちが一方通行だったり、通行止めだったりではうまくいくものもいかないわよ」
「……………」
さすがのシンも黙り込んでしまった………。
ノックアウトされたってトコでしょう、この感じだと………。
「勿論、衣理ちゃんにも言えることだけどね。ホントに真ちゃんの事好きだったら、保守的になっちゃダメよ。衣理ちゃんは恋がウマくいってないと仕事に影響するみたいだから」
「あ………」
しまったぁ。イタイところ突かれてしまった………。
アタシもシンも、淳子さんには頭が上がらない。
完全なKO負けでございます、ハイ………。