ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
「久し振りにエリに逢えて………その上淳子さんから、こんなにすげえ婚約祝いしてもらったってのに………。結果出せねぇ甲斐性無しの今の俺には、このスイートは不相応だよ…―――」
バフッ!!!!!
「………ってぇ……!何すンだよっ!!」
「何じゃないっちゃ!久し振りに逢ったのに、そんな弱気な話しなくてもいいじゃないっ!!」
気がついたら、さっきシンが壁に投げ付けた枕で、彼の頭を思いっきし殴っていた。
「シンの夢ってそんな簡単に諦められる程度だったの?すぐ結果出せないから何よ!それだけのコトしかしてないからでしょ?!それを何?他人と較べたり、自分卑下したりして、同情誘う気?」
アタシの両手にはまだ枕が。
シンは頭を摩りながらアタシを上目使いで睨んでいた。
何か知らないケド、アタシ、ものすご~く、生意気なコト言ってない?
ど、どうしよう………。
ほら、シン、何も言わずアタシを睨んだままだし。
睨まれても仕方ないコト。
蛇に睨まれたカエル状態?
ヤバイ………かなりヤバイって。
お酒の勢いが99%を占めてると思う(でなかったらこんなコト言ってないし)。
そう思ったら、サァ―――ッと、血の気がヒいていった。