ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
さすが仙台駅に直結したホテルのスイートルームだけある。
―――――それにしても、さっきのケンカ(?)なんか忘れるくらい。
夜景がハンパなくキレイ………。
眼下に広がる光の群集を見ていたら、初めてシンと二人で見た、光のページェントを思い出した。
あのトキは、シンと付き合うのを断るつもりで呼び出したのに。
眩しすぎる光のページェント。
夜空を瞬くスターライト・ウインク。
そして、シンの直球すぎるほどの行動は、アタシの中にどんどん入ってきて。
アタシはいつの間にか、シンに惹かれてた………。
ぼんやりと少し涙で滲んだ目で、街の夜景を見ていたら、
「―――――おっ、キレイな夜景………やっぱスイートは別格だな………。夜景見てると、初めてエリと光のページェント見た時の事を思い出す………」
「あ………」
後ろからシンが、そっとアタシを抱きしめた。
「―――――エリ、本当………弱い男でゴメンよ………」
アタシの背中越しに、今にも消えそうなシンの声。