ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
「………本当に待てっか?………何年かかるかわかんねぇんだぞ………?」
「………待てるっちゃ………多分」
わざと。
「何だよ“多分”って………。さっきも、プロポーズの時も自信満々で言ってたじゃねぇかよっ!」
ああ言えばこう返ってくるの、わかってるから。
そーゆートコ、シンはまだコドモ。
「………んもぉ~っ!!!!!ンなコトでキレるぐらいだったら早く合格してよっ!!!」
ついつい本音半分、冗談半分。
「あーっ!うっさいわっ!誰に言われなくても、次はぜってー合格してやるからなっ!!!!!」
ほらね。すーぐムキになる。
耳元でキンキンするほど大きな声で言ってみたりして。
シンはぎゅうううって、強く、強く。
アタシを包み込む。
でも、全然痛くない。
―――――アタシより8歳も歳が上なのに、一緒にいると、時々。
8歳年下の弟妹(きょうだい)みたいに思えて。
なんか………可愛くて、からかいたくなるの。
イタズラがすぎるかな?
シンを枕でひっ叩くのも、戒めも、ちょっとからかってしまうのも。
やっぱり、シンが好きだから―――――
「―――――絶対、合格して、エリと結婚する。だから………もう少しだけ、待ってて………」
―――――つくづく、アタシって、シンに弱い。
結局、最後は――――――
シンのペースに呑まれていくの―――――