ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
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仙台の夏の風物詩・仙台七夕まつりも、お盆もあっと言う間に過ぎた。
8月も、あと10日程で終わろうとしてる。
今年も、シンと七夕まつりを過ごすコトは出来なかった。
何年か前に、1度二人で七夕まつり行ったっきり。
仕方ないの。
丁度中小企業診断士の一次試験と重なってて。
一番最近シンと逢ったのは、彼のおじーさんの新盆のお参りで水嶋の家に行ったトキ。
シンのおじーさん、仙台市の議員さんやってたってこともあり、お葬式では人がごちゃごちゃいた。
今年は初めてのお盆ということもあり、親戚だか、議員サンだか、近所の人だか、これまたごちゃごちゃ。
アタシは、シンの一番下の妹の“はな”サンとおしゃべりしながら、彼女の部屋に猫のミーナといたんだけど………。
歳が一つ違いだから話も合って。
きゃあきゃあ言いながらいたら………。
『エリ、みんなに紹介するからおいで』
って、シンからお呼びが。
んでもって、4、50人ぐらいは居るであろう親戚たちの前で紹介されるハメに。
その人数が余裕で水嶋家に入れるんだから、改めてこのウチ、スゴイわ。
で、何だかワカラナイうちに、ミーナ抱っこしたままのアタシ。
『こちら、俺の婚約者の大友衣理さん。結納は、診断士の資格取ったらすぐするから』
『あ………改めまして……お、大友衣理デス。よろしくお願い申し上げますデスっ』
ペコペコと水鳥みたいに、頭下げまくってた。
談笑してた場が。
急にシーン………と静まり返り。
皆一斉にアタシを見るもんだから、あまりにも緊張して、ヘンな日本語になっちゃって。
お陰で顔が真っ赤っ。きゃああ、恥ずかしっ!
水嶋家に初めて呼ばれたトキも緊張したっけ。
すると、どっからかヒソヒソ話すオバハン連中や、“水嶋家の嫁には…”トカ言ってるおじいちゃんやら。
ちょっとちょっと!!
本人目の前にしてっ。
何か気になるフレーズがちょこちょこ聞こえてくるんですけどっ。