ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
何かアタシの目の前にいる親戚らしき人たちは、頭良さそうで、大企業にお勤め且つ、いいガッコ出てる(通ってる)っぽそうな顔立ちで。
何なのっ!?
下からなめ回すよーにジロジロ見ないでよーっ!
んもー!
シンはアタシのキモチを知ってンのか知らないのか、たーだアタシをチラッと見ては微笑むダケ。
ご挨拶もしたことだし、そろそろ退散しようかな…と思ったら。
『真一!お前もとうとう年貢の納め時かあ~。早く内孫見せろよー!』
『大友さんはどちらにお勤め?大学出てらっしゃるの?』
『真一には年下より、年上の方が合ってると思ってたけどなあ~』
言いたい放題。
……………言ってくるコトっていったら、近所の世話好きオッサンと変わんないし。
んでもってこの家は、やっぱり学歴主義?
それとも、親戚の面接試験も受けないと結婚出来ないの?
あー、ブルーになる………。
アタシがシンと結婚したら………。
冠婚葬祭の度に、この方々たちと顔合わせるワケで。
そりゃあだんだんに仲良くなれる(いや、慣れる)かもしれないけどさ。
いくら客商売してて慣れているとはいえ。
………大丈夫か?アタシ。
『親戚連中の話なんか、まともに聞かなくていいから』
シンが少し下がって、アタシの耳元で囁く。
思わずシンの方を見ると、口角を上げて微笑む。
満面の笑み。
悔しいケド、シンのこの笑顔にはかなわない。
そんなこんなでお盆は、大友家のお墓参りはそこそこに。
シンの家では“プチ・水嶋家の嫁”みたいな扱いになってて(挨拶の後、お客のフリして居られなくなった。サボってるワケにいかないし)。
ある程度片付けも済み、シンに家まで送ってもらい、少しウチの家族とスイカ食べながら談笑。
二人きりの時間は車の中だけという僅かな時間だったケド、嬉しかった。
別れ際、次に逢う日を約束して。
唇に軽く触れるだけのキスをして別れた。
でも実は。
心身共に疲れてたのかな?
キスの余韻に浸る間もなく、アタシはその夜、泥のように眠った。
明け方、夢を見た。
約束の日に、シンが急に来られなくなった夢。
そして………。
目覚めたトキ、胸がざわざわした。