ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】

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「衣理ちゃん、いい感じ♪昔私が着てた浴衣だけど………着丈もピッタリだし濃紺が色白な肌に映えるし」

「そうねぇ………。孫3人より一番似合うかもしれないねぇ。真一も衣理さんの浴衣姿に喜ぶじゃなあい?」


アタシは今日、水嶋家で茶道と着付けの習い事。

で、シンのおかーさまとおばーさまから。
“この夏、真一と浴衣デートしなかったんでしょ?だったら…”
という粋な計らいで、おかーさんが昔着ていたという浴衣を、自分で着付けしているところ。


今日は、久し振りにシンとデート。
たまたま、シンの家の近くを流れる広瀬川で、灯ろう流しが行われる。
灯籠流しはもちろんのコト、ミニコンサートや花火大会もあり、仙台の夏の終わりを告げる催しだったりする。


白と濃いピンクの萩の花があしらわれた、濃紺の浴衣を身に纏う。
シンのおかーさんも、昔はこの浴衣を着て、おとーさんとデートしてたのかな?
いつもと違って、しゃんとした気分になる。

あ、ちなみに萩の花は、宮城県の県花。
小振りで可憐…とまではいかない花だけど、どこかホッとする。


カワイくて、アタシは好き。



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