ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
今日は平日だけど、アタシはお休み。
シンは仕事。
待ち合わせは、18時に市営地下鉄河原町駅の南側改札。
16時から既に灯ろう流し大会は始まっているケド、シンの仕事の都合で、待ち合わせは18時になった。
思えば、付き合って4年以上になるケド、シンと浴衣デートは初めて。
ドキドキしちゃう。
アタシの浴衣姿見て、何て言うかな?
「おかーさん、おばーさま。ありがとうございますっ」
「もう浴衣の着付けも完璧。言うことないわねぇ。訪問着や振り袖とはまた違うからねぇ。………後は真一と久し振りのデート、楽しんでらっしゃいね」
「衣理さん、送って行かなくて大丈夫かしら?」
「はい。愛宕橋駅から地下鉄乗るつもりですし、時間に余裕あるので歩いてみます」
「そう………じゃあ、会場でお会いしましょうね」
「はいっ。ありがとうございますっ!!行って参ります」
おばーさまたちは、今年おじーさまの新盆ということもあり、今夜広瀬川にて灯籠を流すのだが、わざわざおかーさんたちが、アタシの着付けに付き合ってくれて…。
おとーさんが先に行って灯籠を流しているみたい。
なので、おかーさんとおばーさまは、後で灯ろう流し会場で合流ということになっているみたい。
カランカランと、履き慣れない下駄を鳴らしながら。
アタシは、笑顔の二人に見送られながら、水嶋の家を後にした。