ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
#04 真夏の果実
まさかココで。
ノブと逢うなんて………。
しかもノブひとりっぽいし。
何で?
ねぇ?何で灯籠流しに?
ノブの広い背中―――――
付き合っているトキは、おんぶだなんて、こんなコト有り得なかった。
「………重いでしょ?もういいよ。ココで下ろして」
「―――――マジ重い」
「ええっ?!じゃあ下ろしてよーっ!!」
アタシは思わず、ノブの背中をドンドン叩き、足をバタつかせて“下ろして”のアクションをした。
「あ~っ!バタバタすんなよっ!!嘘、ウソだよ。全然重くないって。………あ、丁度あそこの長椅子空いたから、それまで俺の言うこと聞いてしっかり捕まってな」
「………ん。ありがと………」
アタシは素直にノブの言うコトを聞いた。
ノブは一旦止まって、バタついて崩れかけたアタシの体勢を立て直し、20メートル位先にある、休憩用と思われる長椅子まで足を速めた。
軽々とアタシをおんぶするノブ。
アタシ今、きっと顔が真っ赤っかだと思う。
おんぶで、尚且つ、周りが暗くてよかった………。
ノブは今、どんなキモチでアタシを負ぶってるの?
―――――あ。
アタシは、ついこの間見た夢を思い出した。
シンと逢うってトキに、急に逢えなくなり、ノブに再会する夢。
あのトキの夢と、同じ。
正夢―――――
そう思ったら急に、胸の鼓動が早く大きくなる。
まるで、嵐が来る前の、波のように。
うねりを上げて来る。
高波にさらわれそう―――――