ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
「―――――これでよしっ…と。衣理、ちょっと歩いてみ?」
「……………あ、大丈夫みたい………ありがと、ノブ」
「鼻緒って厄介だな。応急処置だから、後は呉服屋とかに行って直してもらって。ま、よかったよかった。膝のケガもたいしたことねぇみたいだし」
受付本部みたいなトコに行って絆創膏貰ってきては、擦り剥いた膝に貼ってくれたり、切れた下駄の鼻緒を、たまたま持ってたノブのハンカチで、新たに鼻緒を作り直してくれたり。
テキパキとこなす、手際の良さは………意外だった。
付き合っていたトキは、こんなコトなかったからなぁ………。
知らなかった………。
「浴衣、借りモンなんだろ?血で汚さずに済んでよかったな」
「ん………。ホント、ありがと………」
アタシの前でしゃがんでいたノブが、左隣りの長椅子に腰掛けた。
「―――――ところでさ、衣理は何で独り寂しく、浴衣着て灯籠流しに来てんの?」
「あ………それは……………」
―――――それはアタシが訊きたいよ。
「……………あ、大丈夫みたい………ありがと、ノブ」
「鼻緒って厄介だな。応急処置だから、後は呉服屋とかに行って直してもらって。ま、よかったよかった。膝のケガもたいしたことねぇみたいだし」
受付本部みたいなトコに行って絆創膏貰ってきては、擦り剥いた膝に貼ってくれたり、切れた下駄の鼻緒を、たまたま持ってたノブのハンカチで、新たに鼻緒を作り直してくれたり。
テキパキとこなす、手際の良さは………意外だった。
付き合っていたトキは、こんなコトなかったからなぁ………。
知らなかった………。
「浴衣、借りモンなんだろ?血で汚さずに済んでよかったな」
「ん………。ホント、ありがと………」
アタシの前でしゃがんでいたノブが、左隣りの長椅子に腰掛けた。
「―――――ところでさ、衣理は何で独り寂しく、浴衣着て灯籠流しに来てんの?」
「あ………それは……………」
―――――それはアタシが訊きたいよ。