ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
それからアタシは、ノブとの電話でキモチがラクになった。
彼の言うように、話す事で随分とキモチがスーッとラクに。
シンも、将来の為、自分の為に、診断士試験頑張ってて。
ノブも、教師一年生として、今の環境に慣れるコトと、生徒と教師、親御さんや地域の人たちとのコトで頭いっぱいになってるケド、それでも前向きに頑張ってて。
そうやって二人とも、ツライの道を乗り越えようとして頑張ってるんだから、アタシも負けていられないっちゃ!!
肩の荷が降りて、ラクになったら、チーフって肩書きに対する嫌な緊張感が無くなって。
普段通りの自分に少しずつ戻れるように。
先輩からのイヤミと妬み攻撃も、徐々に無くなり先輩たちの態度も変わってきた。
“衣理、今までゴメンね。アンタまだ若いのに色々任されるし、どんどん上達していくし…自分はいくらやっても歳だけ食ってくばかりで…アンタが羨ましかったんだ………”
“段々、妬んだところで何にもならないって解ったらバカらしくなって。この業界に年上も年下もないんだよね。淳子さんがよく言う『実力主義』って言葉が今更ながら解った―――――”
そのトキ、キャリア11年の先輩が、アタシにそう話してくれた。