ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】


―――――それはある日店が終わってからのコト。


以前からアタシは淳子さんに、
“スタッフ一人ひとりと話す機会を作りたい”
と、相談していた。

淳子さんは快諾。
早速時間を作って下さった。


毎日一人ずつ残ってもらい、アタシとスタッフはスタッフルームにてそれぞれ一対一になり、思いの丈を話す。
時間は15分と決められていた。


始めは、いつも顔合わせてるスタッフなのに、そのトキばかりは面接みたいに緊張して、何話していいかお互いわかんなくて、5分位沈黙状態………。

お、重い………。


自分から提案しといて、この重圧感たっぷりのムードはしんどかった。

なので、最初は当たり障りない話から始め、気持ちをアタシの方から最近の店の現状や気付いたところを自分から話し、相手に“どう思う?”と訊いてみたりして。

そうして少しずつ思ってるコトを語り始めて、最後先輩が謝ってきた。


嬉しくて泣いたら、先輩に頭を撫でられて。
その先輩からも涙が零れていた。


もやもやしていた嫌な蟠(わだかま)りが解けて、胸がスーッとした。


その後も、妬んでた他の先輩とも和解して。
ああ、またこれで仲良くやれるんだなって思ったら、また泣けてきた。


どんだけ泣くの、アタシ?
今回は嬉しくて泣いたからいいの、かな?


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