ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】


―――――また今年も、青葉通と定禅寺通に、満天の星の如く輝く光のページェントの季節がやってきて。


アタシとシンは付き合って丸5年を迎えた。


お客として来た初対面のその日。
シンからの衝撃的な告白から、もう5年………。


アタシとシンの日々は相変わらず忙しくて。

シンは10年8ヶ月勤務した会議所を退職するため、引き継ぎや挨拶回り、送別会の繰り返し。

辞めてからは1ヶ月の準備期間を置き、2月から彼が尊敬している山路先生の下で働きはじめるコトになった。

診断士の資格の方は、来年10月の二次試験を受けずに、7月の中小企業大学校養成課程(一次合格者のみ受験可能の半年コース)に的を絞ったようだ。


来年1月の試験(4月開講)を受ければよかったのに、シンが言うには、

「2月早々に、じいさんの一周忌をするから段取りしなきゃならないし、エリの双子の弟妹(きょうだい)の依生と実緒の受験間近だから、勉強をみてあげたいし………。何より、自分の気持ちを整理してから新しい職場で仕事したい」

そういう理由だった。

仕事に対して情熱的なシンらしいコトバ。
なんだかんだ言いながらも、シンはちゃんとアタシのコト考えていてくれているみたいで。

逢えない日々が続いても、嬉しかった。



そんなアタシはアタシで、東京で毎年行われるヘアーショーの準備に大あらわで。
店が休みの日も出て、ショーの為の練習をしてた。


いつものように、すれ違いの日々。



でもね。
シンやノブをみてて、アタシは恋に現(うつつ)を抜かしている場合ではないな…。

なんて。

冷静に自分を見られるようになってたんだ。



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