ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
「モンゴルの女性はおしゃれに敏感なんだけど、まだまだ後(おく)れている。欧米もスゴイけど、日本は美容に対しての技術がスゴイネ。ワタシ学んでいる建築もスゴイ。もっと、そういった技術を世界に発信すべきだと、ワタシ思う」
「そうだね………」
ゲレルの髪をブラシで優しく梳きながら、アタシは呟いた。
それにしても、ゲレルの方がスゴイよ。
アタシはよくわからないケド、モンゴル国の代表みたいな感じで、国からの補助で東北大で建築について学んでいるんでしょ?
どんだけ頭いいの?
ただの留学じゃないんでしょ?
アタシなんて、【モンゴル】って聞くと、小学校の時の教科書の[スーホの白い馬]って話に出てきた[馬頭琴(ばとうきん)]と、白いドーム型の移動式家屋の[ゲル]、そして………モンパチ(MONGOL800)?
これって、小学生レベルじゃん………。
「エリ、一度モンゴルに遊びに来てよ」
「ほえっ?」
あんまりにも突然だったから、変な声になっちゃったよっ。