ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
小さい頃からやんちゃで、ワガママばっかり言ってたアタシ。
両親の愛情を独り占めしてた。
でも、アタシが小学二年生のトキ。
アタシに双子の弟妹ができた。
弟の依生(いお)と、妹の実緒(みお)。
可愛くて仕方なかったけど、それと同時に両親の愛情は、双子に向けられた。
そのトキはそう思ったの。
だって、
“衣理はお姉ちゃんなんだから”
お母さん、アタシにはそればっかりだったから。
“いいコにしてればアタシを向いてくれる”
だから、お母さんの言うこと聞いて、双子の面倒をみてきた。
炊事、洗濯、掃除の家事全般
保育園の送り迎え
お風呂入れて、寝かしつけて………それから宿題
それでもお母さんは
“お姉ちゃんなんだから”ばかり。
小・中学時代は、自分の時間がなかなかとれなくて。
家のコトを任せるお母さんが、キライだった。
そりゃあお母さんは外で働いていたから仕方ないにしても。
子供だったアタシは親のキモチなんか知らずに、ただ、恨んでた。
“何でアタシばっかりなの?”
“友達とだって遊びたいじゃん”
それがいつしか。
今まで散々
“お姉ちゃんなんだから”
って言われてきたコトが、ウソのように言われなくなった。