ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
#02 Love Affair
結可子との出逢いは、16年も前の事―――――
俺は、希望大学にことごとく落ち、行く気がなかったものの、親父の“二浪は絶対許さん!”の一言もあり、仕方なく滑りどめで受けてた横浜の私立大学に入学。
―――――仙台から横浜へ。
俺は、大学近くの金沢八景にあるマンションで初めての独り暮らしすることに。
その隣に住んでいたのが、同じ大学に通う結可子だった。
俺は工学部で、彼女は経済学部。
二人とも同じ歳だが、俺は一浪してるから、学年は結可子より一つ下だった。
同い歳で同じテニス部に所属。
しかも住まいは隣同士。
彼女の母親は、仙台出身ということもあり、最初は、共通の話題で盛り上がる“仲間の一人”に過ぎなかった。
アイツ、料理がめちゃ上手くて。
家事全般まるでダメな俺は、よく結可子にメシ作ってもらったっけ。
夜、二人きりでどちらかの部屋でメシ食ったり、一緒に過ごすことはあったが、皆が期待するような事は、何もなかった。
(………俺、誰と話してるんだ?)
彼女の事は、互いに仲が良すぎて。
友人の一人でしかみてなかったから、恋愛感情が湧くことなんてなくて。
それ以前に俺と結可子には、出逢った当初から、互いに恋人がいた。
俺は、高校時代から付き合っていた二つ下の彼女と遠距離恋愛。
結可子は、自分より20歳も離れた、同じ経営学部の準教授と付き合っていた。
しかも彼女の彼氏………準教は、妻子持ち。
いわゆる“不倫”だった―――――