ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
結可子と仲間二人の計三人が、へべれけになった俺を、部屋まで連れて行ってくれた。
“結可子、水嶋を襲うなよー!コイツ今、牙抜かれたライオンと同じだから”
“あ~大丈夫よ。水嶋はあたしの事、女として見てないし、あたしだって水嶋とは勘弁して~。ましてや牙のないライオンなんて、真っ平御免!”
“それもそうだな!………じゃ、悪いがタクシー待たせてるから帰るな。水嶋、お大事に”
………ったく、頭ガンガンするのに、コイツら俺の頭上ででけぇ声出しやがって………。
結可子が代わりに仲間を見送る。
覚束ない手で鍵を開けた瞬間、足が縺れ、二人なだれ込むように玄関に入り、倒れ込んだ。
“……ったあ………水嶋っ!!ちょっと痛――――?!………んっ………!”
気がついたら俺は―――――
身体を重ね合わせるように倒れた結可子に、キスしていた。
“………み……みずし………ちょっと………やめてよ………”
結可子が必死で重ね合う唇を解こうともがく。
逆に抵抗されればされる程、俺の気持ちを煽るだけにしかすぎず。
狭い箱に、リキュールの香りと、初めて聞く結可子の妖艶な吐息。
思わず我を忘れ、俺は激しくキスを続けた―――――